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(3) さよならをもう一度/赤川次郎 著

 表題作「さよならをもう一度」の他五編のホラーミステリーを収録。

 「旧友」は、24歳のOL朋子がまばらな住宅地に引っ越してきた10歳の時、雑木林の茂みの中で捨てられていた子犬を拾って弁当の残りを与えていたが、家では飼うことができなかった。その犬がOLの身辺に起こる数々の事件に影のようにつきまとっているホラーミステリー。

 「いなかった男の遺産」は、ある昼休みに突然いもしない「小田」という社員に対する苦情電話がかかってくる。その「小田」を探すために総務課の谷川は「小田」になりすまして、電話を掛けてきた主婦に会いに行く。ヤクザにからまれたり、殺人事件に巻き込まれたり……結末は意外な方向へ。

 「駐車場から愛をこめて」は、あるビルの駐車場は地下二階にあって、いつも昼間は満杯状態だった。夜の会議に出席するため、車を駐車場の入り口へ向けたところ、突然若い男がヘッドライトの中に現れ、「駐車場は満車です」という。それは三年前に死んだ男の幽霊だった。
 オールドミスの八代は、年下の男の部下を愛していたが、どう愛を表していいか分からず、気の弱い部下の男をこきつかっていた。
 ある日、会議のために来社する顧問のため、駐車場を確保するよう伝えた。しかし満杯で確保できない……。

 「怪物」は、本好きな少女が女性週刊誌の記事をまねて、「匿名の手紙」を出す。その手紙が引き起こすミステリー三話。

 「善の研究」は、七十歳代の耕造がある日電車内で若い男がセーラー服の少女に卑わいな行為を働いているのを見た。その若い男に少女に代わって復讐を企てる殺人事件。

 「さよならをもう一度」は、夕方の教会に若いOL江利子が神父に「悪魔に魂を売ったものかどうか悩んでいる」と相談に来る。江利子は同僚の良二が好きだった。良二は気が弱く、両親に江利子を紹介したいという、遠回しのプロポーズをしたが、江利子がいたずら心を起こしたため、良二は車にはねられて事故死する。江利子は愛する人に一言だけ自分の気持を話しておきたいと言う。彼女が犠牲にしたものは……。