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(153) 赤川次郎/めざめ

 ある秋の日曜日、平凡な主婦美知代は、突然家に乱入して来た義弟によって、夫と共に惨殺される。遠足に行って難を逃れた、ひとり娘の美沙を思う美知代の気持は、奇跡を起こす。美知代は、再びこの世での生の時間を与えられる。しかしそれは、心は美沙を想う母親のまま、事件の現場近くで、同じ時間に事故にあった少年、修としてだった。数年後大学生になった修は、美沙を探し当てる。美沙は美しい少女に成長していた。しかし、両親の殺された現場を目撃したことから、心に深い傷を負っていた。誰も信じることができなくなっていた娘に、美知代は修の体を借りて、人を信じるということ、人を愛するということを教えようとするのだった。別れの言葉を交わすことなく引き裂かれてしまった親子が、神様からもらった大切な時間。子を想う母親の深い愛情が引き起こした、優しい奇跡の物語。