(239) 赤川次郎/いつもと違う日
明るくて軽妙洒脱、作者の温かい目が感じ取れる秀逸の短編ミステリー五編。
『オアシス』は、離婚した父と暮していたスナックのママの実の娘が、母を殺した犯人をつきとめる。
『本日は休校日』は、休校日の校舎で生徒会長の死体と対面する羽目になった、おてんば女子高生が、最後に意外な犯人にたどりつく。
『忘れものの季節』は、校則厳しい名門の女子小学校を舞台に、“忘れもの”救済できりきり舞いする大人たちをよそに、当の子供たちは堂々と忘れものを申告する。
『支払われた少女』は、祖父にポーカーの賭けに供された孫娘が、賭けに勝った青年と最後にはめでたく結婚する。
『私だけの巨匠』は、英国に住む文豪の二十年前の恋人(当時十六歳)を妻に持つ男が、その文豪の一週間の滞日中の世話役を命じられる。男と、その妻と、いま十六歳の二人の間の娘と、文豪との短い交り。
いずれも少女たちを軸にした、それぞれに違った味わいを持つ秀作揃いである。