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(250) 赤川次郎/禁じられた過去

 本書は平成4年に「小説推理」に連載されたもので、殺人を犯した男女二人の逃亡劇から幕を開ける。今は経営コンサルタントとしてテレビにも顔を出す著名人となった「山上忠男」。彼を主人公としてこの事件は展開していくが、事件は不動産屋や会社重役の愛人の殺人から意外な展開へと発展していく。主人公山上の幸せの家族生活に隠された、真実とは。殺人事件を解明する老刑事とコンビの若い刑事の確執。山上の初恋の美沙とこの事件の関係は。最後にあかされる犯人像に人間の心理の複雑さが描き出される。単なる殺人事件推理小説とはひと味違った、家族とは男女の仲とは、それぞれ事件に関わる様々な人間の葛藤を盛り込んだ異色作品に仕上がっている。