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(253) 赤川次郎/知り過ぎた木々

 アップダウンの多い林道の中を走る、グリーンのシャツに白いショートパンツの少女の一群。朝の静寂を少女たちの息遣いと足音が、風のように吹き抜けて行く。
 雲間から洩れる月明かりに、浮かび上がった古びた別荘… 油でもまいて火をつけたのか、開け放したドアから見えた赤い光は、パチパチとはぜながら、どんどん広がって行く。一歩足を踏みこむと襲ってくる、凄い熱気、そして煙。熱い! むせるし、目が痛い。 そして純子が迷子になった森の奥は、フィトンチットの香りで一杯。 陽が落ちて冷え込んで来た真っ暗な森の中を、チラチラとやって来る小さな明かり…
 等々、一幅の絵画にでもなりそうな、映画のワンシーンのような、極めて視覚的な(又、聴覚・触覚・嗅覚をも刺激する)長篇推理小説です。
 想像の翼を広げて、お楽しみ下さい。